日本民间故事】被金钱迷惑的负心汉
むかしむかし、都のはずれに、たいそう貧乏 [びんぼう] な男が住んでいました。
很久很久以前,在都市边上住着个很穷很穷的男子。
ところがその男の知り合いが、とても出世([しゅっせ]して遠い国のお殿さま [おとのさま]になったのです。
可是,这个男子的朋友,却很成功得做了远方国家的老爷。
そこで男はそのお殿さまの家来 [けらい]として、ついて行くことになりました。「これでやっと、自分にも運がむいてきたぞ」と、喜んでみたものの、男には旅の支度をする金さえありません。
于是这个男子决定就做老爷的家丁跟着去。“这样,总算自己也会有好运了。”虽然很高兴得期待着,但是这个男子却连旅途的钱都没有。
それで男は長い間連れそった優しい女房 [にょうぼう]を捨てて、金持ちの家の新しい女をめとり、その女に金を出してもらうことにしたのです。
于是男子就抛弃长期以来都跟随左右的贤惠的老婆,娶了有钱人家的女子,让那个女子出钱。
ところが新しい女房はわがままで、男に不平ばかり言っています。
可是那新老婆却只会对男子发牢骚。
そのうちに男は、だんだん前の女房が恋しくなってきました。
渐渐的,男子开始怀念以前的妻子。
けれど金を出してもらった手前、新しい女房を追い出す訳にもいきません。
可是刚让新妻子出了钱,也不能驱赶她。
「今の女房とは、形だけの夫婦。ああっ、貧乏でもよいから、前の女房と暮らしたいのう」男は次第に、そう思うようになっていました。
“现在的老婆只是形式上的妻子。啊,穷点也可以啊,好想和以前的妻子一起生活啊”男子渐渐地这样想。
そのうち何年かたち、殿さまはまた京へ戻ることになったのです。
过了几年之后,老爷决定再次回京都。
「これで、あいつに会う事が出来る」男は京に着くと新しい女房を実家へ帰して、すぐに元の自分の家へ戻りました。
“这样就能见到她了吧”男子一到京都,就让新老婆回了老家,自己马上回了自己的老家。
ところが家についてみると、とても人が住んでいるとは思えないほどのひどい荒れようです。
可是,到家一看,却发现已经荒芜得不像人住的地方了。
「これが、わしの家だろうか?」と、男は門の前に立ちすくみました。
“这是我的家吗?”男子呆呆得站在门前。
「女房の奴、わしを恨んで出て行きおったに違いない。いや、悪いのはわしだ。女房をせめても、仕方ない」そう思いながらも中に入ってみると、いつもの場所に女房が座っているではありませんか。
“这老婆,一定是恨我,所以走掉了吧。不,错的人是我。就算责怪她,也没有办法。”一边这样想着,一边走到里面看,发现妻子依然坐在老地方。
「お前、待っていてくれたのか!」男は女房のそばへかけ寄り、しっかりと抱きしめました。
“你,还在等我吗!”男子飞奔到妻子身边,紧紧地拥住她。
「あなた、お帰りなさい」女房は文句一つ言わず、嬉しそうに男の顔を見ました。
“亲爱的,你回来了”妻子没有说一句怨言,高兴地看着男子的脸。
「許してくれ。わしが悪かった。わしの女房はお前だ。もう決して、離すまいぞ」
“请你原谅我。是我错了。我的妻子就是你。再也不会离开你了。”
二人は夜のふけるのも忘れて語りあい、明け方になって、やっと寝床に入ったのです。
两人聊着聊着都忘记了时间,直到第二天早上才入睡。
久しぶりのわが家に、男は安心してぐっすりと眠りました。
久违了的自己的家,男子安心得睡得很香。
それから、どのくらいすぎたでしょう。
之后,不知道过了多久。
男が目を覚ました頃には、もう日が差し込んでいました。「いやあ、よく眠った」と、女房を見て、男は、「あっ!」と、驚いて飛び起きました。
男子醒来的时候,太阳都已经下山了。“呀,睡得好舒服啊”男子看妻子时,“啊”的一声尖叫,跳了起来。
それもそのはず、なんとそこには、骨だけになった女房の死骸が横たわっているのです。
他这样也是合情合理的,因为躺在身边的是只剩下骨头了的妻子的尸体。
「これはいったい、どうしたことじゃ!?」男は寝まきのまま隣の家へ飛び込み、妻の事を尋ねました。
“这到底是怎么回事!?”男子穿着睡衣就跑到隔壁邻居家,询问了妻子的事情。
すると、隣の家の人が言いました。「ああ、その人なら去年亡くなられましたよ。何でも、ご主人が新しい奥方を連れて遠い国へ行ってしまったとかで、それはひどく悲しんでおられてのう。そのうち病に倒れられて、死んでしまわれたそうな。お葬式をする人とてなく、亡骸もそのままだというので、怖がって近寄る人もありません」
邻居就这样说道:“啊,那个人啊,去年就过世了。因为她丈夫带着新妻子去了很远的国家,导致过度悲伤。然后就病倒死了。也没有人给她办葬礼,尸体也就那样放着了。因为害怕所以也没人敢接近。”
「では昨日あったのは、女房の幽霊だったのか」そう思うと男は急に恐ろしくなり、そのまま逃げ出すとどこかへ消えてしまいました。
“那么昨天见到的就是妻子的鬼魂了”男子这样想着就感到万分恐怖,就这样逃得不见踪影。
【日本民间故事】不被祝福的恋人
今から四百年ほど前、長崎の町に、お小夜(さよ)という美しい娘がいました。
在至今大约四百年前,在长崎镇上,有个叫小夜的美丽姑娘。
お小夜はキリスト教を信仰するキリシタンで、その美しい姿は絵に描かれたマリアさまにそっくりなので、人々はお小夜の事を『マリアのお小夜』と呼んでいました。
小夜是信仰基督的基督教徒,她美得和画中画的玛利亚一模一样,所以人们称小夜为“玛利亚小夜”。
その頃、与次郎(よじろう)という若者が、南蛮寺(なんばんでら→キリスト教会)の門の前で花売りをしていました。
那时,有个叫与次郎的年轻人,在南蛮寺(基督教会)的门前卖花。
お小夜は毎日、与次郎の花を買っては南蛮寺にお供えしていたのですが、いつしか二人は恋仲になっていたのです。
小夜每天都会买与次郎的花去南蛮寺供奉,但不知道什么时候开始两个人就相恋了。
やがて二人の事が、町のあちこちでうわさされるようになりました。
不久之后,关于这两人的流言就传遍了整个小镇。
お似合いの二人でしたが、まわりは二人を祝福してくれません。
明明是很般配的两个人,但是周围的人却并不祝福这两个人。
なぜなら当時のキリシタンには、他の宗派の男女と付き合ってはならないという厳しい掟(おきて)があったからです。
要说为什么,那是因为当时的天主教,有严格的戒律不许和其他宗派的男女交往。
ある晩、二人は人目をさけて浜辺で出会っていました。
有一天晚上,两个人避开别人的耳目,在海边约会。
ところがこれを、神父に見られてしまったのです。
可是这却被神父看到了。
捕まった二人は、神父たちにとても厳しいおしおきを受けました。
神父们严惩了抓到的两个人。
特に与次郎の方はキリシタンをたぶらかした極悪人として、長崎港の沖に浮かぶ『かぶと島』へ島流しにされたのです。
特别是对与次郎,把他作为拐骗天主教徒的罪大恶极之人,将他流放到了长崎港海面浮着的“甲岛”上去了。
「お小夜、夜になったらかぶと島をながめてくれ。わたしは毎晩赤い灯をともすから。赤い灯が見えるかぎり、私は生きているから」与次郎はお小夜にそれだけを言い残すと、かぶと島へ送られました。
“小夜,到了晚上你就眺望一下甲岛。因为我每天晚上都会点红色的灯。只要看到红色的灯,就可以知道我还活着。”与次郎对小夜只说完这些话后,就被送到甲岛去了。
それからというもの、お小夜は夜ごと浜辺に出てはかぶと島を眺めました。
从那之后,小夜每天晚上都会去海边眺望甲岛。
日も暮れる頃になると、島にボーッと赤い灯がともります。
在太阳落山的时候,小岛上就会扑哧地亮起一盏红灯。
その灯をながめては与次郎を思い、お小夜は涙を流すのでした。
小夜看着那灯,想着与次郎就会止不住流泪。
でもこれを、神父たちはこころよく思いません。「与次郎は、信者を惑わす悪魔じゃ。悪魔には、神罰が下さるべきだ」
可是对于这一切,神父们却并不高兴,他们说:“与次郎是诱惑信徒的恶魔。对于恶魔,就应该接受神的惩罚。”
次の日の夜、お小夜がいくら待っても、かぶと島に赤い灯はともりませんでした。
第二天晚上,小夜一直等着,可是却没有看到甲岛的红灯亮起来。
その日の夜明け、お小夜は何かにつかれたかのようにふらふらと歩き出して、一歩一歩、海の中に足をふみ入れたのでした。
那天凌晨,小夜像是被什么东西附体了一样,摇摇晃晃地走了起来,一步一步地迈向海里。
「与次郎さま。来世では、必ず結ばれましょう」
“与次郎。来生一定要在一起啊。”
翌朝、かぶと島の波打ち際に、並んで倒れている男女の死体があがったそうです。
听说到了第二天早上,在甲岛的浪打过来时,浮上来并排倒在一起的男女尸体。
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